乳がんの統計

乳がんの統計

乳がんの統計 その1

 アメリカでは現在、全女性の8人にひとりが一生の間に乳がんになると言われていますが、日本では欧米に比べかなり少なく、25人から30人にひとりではないかという話です。10年前のデータで言えば、日本の乳がん罹患率(罹患率の計算は、乳がんになった人の数を女性の総人口で割り、このままだと小数点以下が多くなってわかりづらいので、10万をかけています)10万人対で37.0人で先進国の中では最低です。しかし、最近の傾向は喜ばしいものではありません。  アメリカやイギリスでは国を挙げて乳がん対策に取り組んでいます。具体的に言えば、マンモグラフィー(乳房Ⅹ線撮影)検診や標準治療(別項参照)の普及です。その結果、罹患率はまだ高いのですが、、両国の乳がん死亡率は1990年から下降に転じています。ところが日本では、死亡率・罹患率ともに右肩上がりが続いていて、現在は毎年約3万5千人が乳がんにかかり、亡くなる人も1万人に近づいています。今や乳がんは、日本の女性が最もかかりやすいがんであり、30代に入ると、子宮がんよりも乳がんの方が何倍も確率が高くなるのです。

乳がんの統計 その2

 日本における乳がんの統計的な特徴は、30代後半から急激に増え始め、40代後半でピークに達し、高齢になるにしたがい減っていくということでした。欧米では70歳、80歳になっても増え続けますが、日本でその年齢になれば乳がんはもう関係ないといわれたものです。しかし、最近は日本でも高齢者の乳がんが増え、この点でも欧米化が指摘されているのです。データとしては明確ではありませんが、その傾向はうかがうことができますし、そう実感している医師は少なくないはずです。

乳がんの統計 その3

 このように乳がん増加の背景にあるのは、日本人のライフスタイルや食生活の欧米化だろうといわれています。  乳がんは女性ホルモンと密接に関係している病気です。最近の非婚傾向や高齢出産などのライフスタイルの変化は、乳がんの統計にも影響を与えているはずです。また、食事、とくに動物性たんぱく質の摂りすぎは、乳がんだけでなくいろいろな病気で指摘されています。  ライフスタイルは2年や3年では大きく変わらないでしょう。今後10~15年間、日本の乳がんは増え続け、2015年には、乳がんにかかる人は年間5万人に到達するのではないかと予測されています。

標準治療

 その時点で最も効果が高いと科学的に証明された治療法のことです。英語では「ゴールドスタンダード」といいます。病院や医師によって治療法が異なる医療格差を是正するために、ガイドラインなどを作成し、標準治療を普及させようという動きが、日本でもようやく活発になってきました。標準治療を選ぶかどうか、最終的に決めるのは患者さんですが、どういう治療法が標準治療とされているかを知っておくことは大切なことです。

男性の乳がん

 女性のように発達してはいませんが、男性にも乳腺組織があります。したがって男性も乳がんになります。2002年の統計では、乳がんで亡くなった人は全部で9676人。そのうち72人が男性でした。一般的には100対1くらいの割合ではないかといわれています。

閉経前と閉経後

 乳がんは、閉経前の人と閉経後の人では、閉経後の人が増えてきていて、現在ではほぼ同率になりつつあります。  欧米では、閉経前より閉経後のほうに乳がんが多く見られ、高齢になってからの乳がん罹患率が増加しています。



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