乳房に気になる変化を見つけたら

乳房に気になる変化を見つけたら

乳房に気になる変化を見つけたら その1

 ある日、自分の乳房に今までとは違った感触や様子を発見したら、不安を抱く人は多いでしょう。乳房には、良性の病気が原因で、あるいは生理的な減少としても変化が起こります。いつもと違う異常に気づいたら、躊躇せずに専門医に診てもらいましょう。

乳房に気になる変化を見つけたら その2 

  しこりは、乳がんの症状として最も多く見られるものですから、しこりの有無を定期的に調べていれば、乳がんをほんの初期に見つけることができます。乳がんで病院に来院される人の約9割が自分でしこりに気づいて来院されます。きっかけは「何気なく触れた」というのがほとんどです。何気なく触れて見つけたがんは、進んでいることがよくあります。定期的に自己検診をして見つけてください まず、乳房を注意深く触ってみてください。もし、小石のような硬いものに触れたら、がん細胞の塊の疑いがあります。。

乳房に気になる変化を見つけたら その3 硬さ

 乳がんの感触を、英語で「ストーニー ファーム(stoney firm=石のような硬さ)」というように、石のような硬さの「ゴリッ」「ゴツン」とした感触があります。指で押すと、乳房の中に石が埋まっているように、動きにくい感じがすることがあります。周囲の組織にがんが癒着しているからです。  これに対して、「エラスティック・ソフト(elastic soft=柔軟性のある柔らかさ)」といって、グミキャンディーを押すような感じがすることがあります。良性のしこりの場合によく見られます。  ただし、これらは、一般的な傾向で、良性のしこりなのにストーニー・ファームだったり、エラスティック・ソフトなのに乳がんの場合もあります。

乳房に気になる変化を見つけたら その4

 しこりとは違う感じで、乳房の一部がいつもと違って妙に硬い場合も注意する必要があります。また、月経が終わっても硬さが残る場合、月経とは関係なく硬さが残る場合も注意します。

乳房に気になる変化を見つけたら その5

 乳房を手で触って調べたら、次はわきの下に触れてみましょう。乳がんがわきの下のリンパ節に転移すると、そこにもしこりを感じます。  少しでも異常を覚えたら、自己判断は避けて、すぐに乳腺外科や乳腺外来で専門医を受診しましょう。

乳房に気になる変化を見つけたら その6

 乳房の痛みを感じた場合、月経周期と乳房の痛みの関係に注意します。  誰でも月経が始まる前は、乳房が張って痛みを感じることがあります。これは乳房の痛みに女性ホルモンが影響するためです。乳房痛は普通月経周期と一致しますが、まれに、月経周期と一致しない乳房痛もあります。  月経周期と一致する痛みは病気ではないため、治療する必要はありません。月経と関係ない痛みが2~3ヶ月続く場合は、一度かかりつけ医に診てもらうのが良いと思います。

乳房に気になる変化を見つけたら その7

 乳房周辺の痛みを起こす病気には、乳がん、乳腺症、乳腺炎、乳房付近の筋肉痛、肋間神経痛などがあります。  乳房痛の多くは特に治療の必要がないものです。我慢できない痛みが長期間続き、痛みで日常生活に支障をきたす場合、乳腺症を考え、ホルモン療法を行うことがあります。

乳房に気になる変化を見つけたら その8

 ホルモン療法では、ダナゾールやタキモシフェンなどを用います。ダナゾールは、軽い男性化副作用を伴う弱アンドロゲン(男性ホルモン)剤、タキモシフェンはほとんど副作用のない抗エストロゲン(女性ホルモン)剤です。ダナゾール1日100~400mgを3~6ヶ月内服するか、タキモシフェン1日20mgを3~6ヶ月内服すると、痛みが和らぎます。  ホルモン剤なので、副作用を避けるために、長期間服用する際には厳重な観察と注意が必要です。また、ホルモン療法の効果があって乳房痛がなくなっても、ホルモン療法をやめると、また痛みが戻ることがあります。

乳房に気になる変化を見つけたら その9

 ごくまれに、しこりを感じることなく、乳頭(乳首)から分泌物(液)が出ることがあります。ただし、分泌物が出るからといって乳がんだということではありません。  乳頭(乳首)から分泌があるときは、両方の乳首から出るか、1ヶ所から出るか。数ヶ所から出るかを確かめてください、また、分泌物の色を見ることも重要です。両側の乳首からのミルク状の分泌物は、ほとんど心配ありません。しかし、片方の乳首の1ヶ所から血液が混じったような分泌物がある場合は、がんなど病的な原因によることがありますので、すぐに専門医に相談しましょう。  乳頭分泌は、ホルモンの変化、降圧剤、抗潰瘍薬、抗うつ剤、睡眠剤などの薬の副作用で出ることもあります。

乳房に気になる変化を見つけたら その10

 乳頭や乳輪部に、アトピー性皮膚炎湿疹が出ることがあります。この場合、副腎皮質ホルモン軟膏で改善します。  一方、乳頭がただれ、一時はかさぶたを作っても、再びびらんとなり治りにくい場合は、特殊な非浸潤がんで、乳頭部に発生するパジェット病である可能性がありますので注意が必要です。

乳房に気になる変化を見つけたら その11

 乳がんができて悪化し、皮膚の近くにまで達すると、えくぼのようなくぼみができることがあります。一般にえくぼ症状と呼ばれます。  初期は乳房をつまむとへこみがわかる状態ですが、進行すると何もしなくてもへこみます。  さらに進行すると、皮膚が赤く腫れたり、乳房の表面がオレンジの皮のように毛穴が目立つような状態になります。痛みや熱感を伴うことがあります。  赤い腫れやオレンジの皮状の皮膚の変化は、乳腺炎だけでなく炎症性乳がんというまれな乳がんで見られることがあります。乳腺炎と軽く考えないで、専門医に相談しましょう。

乳房に気になる変化を見つけたら その12

 わきの下のリンパ節は腕の怪我などで晴れ、触れることがあります。しかし、乳がんが既にわきの下のリンパ節に転移している場合でも、わきの下にしこりが認められます。  乳房にははっきりとしたしこりを触れなくても、わきの下にしこりを触れることがあるので、乳房のチェックの際はわきの下も触ってみることが大切です。 



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