自己検診

自己検診

自己検診 その1

 17世紀のはじめに描かれたレンブラントの有名な裸婦画「水浴するパテシバ」のモデルの女性が、後の世に乳がんであると指摘されたことがあります。レンブラント自身はこのことに気づいてなかったのですが。  女性の乳房をよく見ると、外側に乳がんの特徴的な症状であるえくぼ状のくぼみがあります。古書によるとこの女性はこの数年後に亡くなっているそうです。当時は「乳がん」と言う病気があるらしいということがうっすらと知られ始めた程度の時代ですので、この女性が乳がんの自己検診をしていても寿命が延びたかどうかは疑問です。  しかし、現在は違います。乳がんは早期発見・早期治療を行えば、90%以上の確率で治癒します。さらに言えば乳がんは、自分で発見することが可能な数少ないがんなのです。

自己検診 その2

 既に自己検診を励行している方も少なくないと思いますが、この項から標準的な谷内方を書いていきます。  まず。大きな鏡の前に立って、乳房をよく観察しましょう。チェックするのは、乳房の形、色、ひきつれ、くぼみ、左右の乳頭の位置などです。両腕を上げた状態、下げた状態の両方をチェックしましょう。腕を上げると、ひきつれやくぼみが強調されて、わかりやすくなることがあります。

自己検診 その3

 次に、乳房に指をすべらせて、しこりを調べます。押したりつまんだりするより、お風呂で石鹸などをつけ、指先で小さな円を描くようにして、乳房をくまなくすべらせるほうがよくわかります。乳房が大きい人は、仰向けに寝て、乳房を平らにするとわかりやすいでしょう。乳がんは外側の上部にできやすいので、その部分を特に念入りにチェックするのもポイントです。  最後に、わきの下にしこりがないかどうか、乳頭から異常な分泌物が出ていないかどうかもチェックしてください。

自己検診 その4 

 こうした自己検診を1ヶ月に1回行うことをおすすめします。排卵時には乳房が張ってチェックしにくいので、月経後4日~1週間目がいいでしょう。閉経後の人は、毎月1日など、覚えやすい日を決めて、定期的に行ってください。  自己検診をすすめるのは、単にしこりをチェックするためだけではありません。乳房は左右で違います。また、硬い人、やわらかい人、さまざまです。自分の乳房の普段の状態を覚えておくという意味でも、自己検診は大切なのです。がんの中には、画像に出にくいものがあり、そんな時医師は「なんでもない」と判断してしまうかもしれません。そういう時普段の状態をきちんと把握しておけば、たとえば「前はここにしこりはなかった」と医師に再考を促すことができます。



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