マンモグラフィー

マンモグラフィー

マンモグラフィー その1 

 マンモグラフィーとは、乳腺専用のレントゲン検査のことです。2枚の板で乳房を挟んで、平べったくして撮影します。こうすることで、しこりとその周囲にある正常乳腺の差が際立つためです。また、放射線の量を少なくして、被曝を抑える目的もあります。上下・左右から圧迫して、それぞれ撮影します。

マンモグラフィー その2 

 しこりがある場合は白く映し出されます。周囲の組織を引き込むような、ギザギザの形をしているのががんの特徴で、これをスピキュラといいます。  しこりを見つけるだけなら、マンモグラフィーほどの精度はないにしても、触診や超音波でも可能ですが、マンモグラフィーが、触れることのできない大きさのしこりを見つけられるのは、石灰化を見つけることができるからです。  

マンモグラフィー その3 石灰化

 がん細胞が激しく増殖し、乳管の内腔に密集してくると(乳がんの定義 その6 乳がんの内訳)、中心部分のがん細胞まで栄養が届けられなくなります。がん細胞のうち栄養がもらえない部分は壊死します。壊死したがん細胞の死骸にカルシウムが沈着することを石灰化といいます。  ただし、見つかった石灰化がすべて乳がんというわけではありません。乳管からの分泌物が結晶化し、そこにカルシウムが沈着するのも石灰化です。発見された石灰化のうち、乳がんによるものは約2割といわれます。

マンモグラフィー その4

 良性腫瘍の線維腺腫でも石灰化が見られることがあります。ただ、乳がんの石灰化には特徴があり、線維腺腫の石灰化が粗大な場合が多いのに対し、針のように細い線状や細かく枝分かれしているような微細な石灰化、あるいは多様性といって大小さまざまな形をしているのが、乳がんの石灰化です。  乳がんの微細な石灰化は、がんが乳管内にとどまっている非浸潤がんの可能性が高いといえます。

マンモグラフィー その5

 2001年に、日本でかなり多くの乳がん手術を手がけている二十数施設に依頼し、どのくらいの割合で非浸潤がんが見つかっているかを答えてもらったことがあります。  日本全体では3~5%と「日本の乳がん検診の現状 その3」で書きましたが、乳がんの専門施設でも1999年までは7~8%で推移しています。しかし、2000年には9%を超え、2001年には10%を超えました、これはマンモグラフィー検診が始まったからと考えることもできるでしょうが、それにしても欧米の半分です。  ところで、石灰化で見つかった病変を、どうやって乳がんと診断を確定するかについては、難しい問題がありました。それについては後の項で「穿刺吸引細胞診」について述べます。

マンモグラフィーと被曝

 1回のマンモグラフィー検査での被曝線量は、0.05~0.15ミリシーベルトといわれています。普段生活しているだけで、年間2.4ミリシーベルトの自然放射能を浴びているといわれており、あまり気にする必要はありません。ただし、妊娠中もしくは妊娠が疑われる人は胎児への影響を考え、避けた方がいいでしょう。

マンモグラフィーもデジタル化?

 現在のマンモグラフィーはほとんどがアナログです。これを最先端の画像テクノロジーやITによってデジタル化しようという動きもあります、アナログのフィルム式と比べ、デジタルはデータの管理が効率的で、複製もしやすく、分析目的に合わせた画像の加工も可能です。取り損じも減るでしょうから無駄な被曝も減らせます。実用化されれば、まず乳がん検診に威力を発揮しそうです。



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