再発・転移の検査

再発・転移の検査

腫瘍マーカー その1

 再発・転移(0102乳がんの定義「再発・転移とは?」の項参照)の検査には、腫瘍マーカー検査や、転移先の臓器レントゲン検査などが行われます。  腫瘍マーカーとは、がん細胞が作り出す物質、もしくはがん細胞に反応して正常細胞が作り出す物質のことです。簡単に言えばがん細胞の目印になる物質の総称です。現在30種類ほどの腫瘍マーカーが臨床試験で使われています。

腫瘍マーカー その2

 腫瘍マーカー検査は決定的なものではなく、あくまでも補助的な検査です。というのは、ほとんどの腫瘍マーカーは複数の臓器で作られます。代表的な腫瘍マーカーのひとつ、CEAなどは、胃、大腸、すい臓、肺などでつくられますから、数値が上がったからといって、どの臓器と特定することはできません。また、正常な人も腫瘍マーカーの数値はゼロではなく、どこからが異常かは目安にすぎません。早期がんでは腫瘍マーカーは正常値の範囲内にあるので、早期がんの発見には使えません。いわゆる顔つきの悪いがん(低分化型がん)は進行がんになってからも、正常値を示します。  以上のような理由から、腫瘍マーカー検査の結果だけから判断することはないといっていいでしょう。

腫瘍マーカーの使用目的

 乳がんの検査で使われている代表的な腫瘍マーカーは、CA15-3、CEA、NCC-ST-439、BCA225の4種類です。使用する目的は、術後の経過観察(再発・転移の有無)に用いることもありますが、主に転移性乳がんに対する治療効果の有無を見るためです。腫瘍マーカーで転移が見つかるのは70%で、30%の人は転移があっても異常値を示しません。治療効果の有無の判断に際しても、腫瘍あーカーだけで判断することはなく、必ず画像検査で確認します。

転移の有無を調べる方法

 転移の有無を調べる方法としては、腫瘍マーカーの他に、必要があればレントゲン撮影、肝臓超音波、骨(ほね)シンチグラフィー(放射性同位元素を使って骨転移を調べる)、CT、MRIなどを使って、転移の可能性のある臓器を調べます。  ただし、再発・転移を早く見つけて早く治療を始めても、症状が出てから治療を開始しても、残念ながらその後の生存期間に変化はないとされています。したがって、転移を早く見つけようとして頻繁にレントゲンを撮ったりするのは、かえってマイナスといわれています。

術後の定期検査に関する比較試験の話

 アメリカでは、術後の定期検査を頻繁に行うグループと、あまり検査しないグループの比較試験がいくつか行われました。結果はいずれも「その後の生存期間に差はない」というものでした。そこで年に1度の視診・触診とマンモグラフィー検査程度でよいということになっています。



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