これからの乳がん治療
もしかしたら
乳がん治療が日進月歩で進歩していることについては、たびたび触れてきました。ここでは今どんな研究が行われているか、いくつかを紹介しましょう。
術前化学療法で、もしかしたら切らずに治せる時代が来るかもしれないと書きましたが、少なくとも抗がん剤がその患者さんに効くか効かないかを予測できれば、無駄な副作用の苦しみから開放されます。また、副作用がその患者さんに出るのかどうか予測できれば、その患者さんにより適切な抗がん剤を選ぶことができます。遺伝子を調べることで、このような予測が、おそらく5~10年以内には可能になるのではないかといわれています。
術前化学療法で、もしかしたら切らずに治せる時代が来るかもしれないと書きましたが、少なくとも抗がん剤がその患者さんに効くか効かないかを予測できれば、無駄な副作用の苦しみから開放されます。また、副作用がその患者さんに出るのかどうか予測できれば、その患者さんにより適切な抗がん剤を選ぶことができます。遺伝子を調べることで、このような予測が、おそらく5~10年以内には可能になるのではないかといわれています。
子どもが欲しくなったら
抗がん剤治療を行えば生理が止まることが多く、5~7割はそのまま閉経してしまいます。つまり、いくら子どもが欲しくても、現状では抗がん剤治療と妊娠を両立させるのは難しいといわざるを得ません。
ホルモン療法でも、通常通り5年間続ければその間妊娠できないだけでなく、治療が終わったときには高齢出産となったり、もしくは閉経年齢に達してしまい、断念せざるを得ない人が多いという状況です。 妊娠そのものが女性ホルモンの働きを活発にするので、乳がんには良くないという側面も当然あります。
こうしたことから、妊娠できる乳がん治療法の研究が進められています。LH-RHアゴニスト製剤で一度卵巣機能を止め、それから抗がん剤治療を行うと、治療後に整理が回復する可能性が高くなるのです。この方法は現在臨床試験が行われています。
ホルモン療法でも、通常通り5年間続ければその間妊娠できないだけでなく、治療が終わったときには高齢出産となったり、もしくは閉経年齢に達してしまい、断念せざるを得ない人が多いという状況です。 妊娠そのものが女性ホルモンの働きを活発にするので、乳がんには良くないという側面も当然あります。
こうしたことから、妊娠できる乳がん治療法の研究が進められています。LH-RHアゴニスト製剤で一度卵巣機能を止め、それから抗がん剤治療を行うと、治療後に整理が回復する可能性が高くなるのです。この方法は現在臨床試験が行われています。
さまざまな研究
さらに、少し先の話としては、がんは自分で新たに血管をつくって成長していきますが、これをとめる血管新生阻害剤、あるいは免疫力を高めてがんをやっつける免疫療法、がんワクチン、遺伝子治療など、さまざまな研究が行われています。これらを上手に組み合わせれば、乳がんの治療は飛躍的に進歩するのではないかと期待されています。
新薬認可制度の問題
もうひとつ付け加えたいのは、日本の新薬の認可制度の問題です。日本でタキソールが認可されたのは世界で70番目以下でした。トラスツズマヅ(ハーセプチン)はアメリカでは1998年秋に認可され、日本では2001年6月でした。この2年数ヶ月の遅れの問題です。自分に効果がありそうだとわかっても個人輸入するほかないのです。その膨大な労力と費用が個人に委ねられていたのです、薬の認可には大がかりな臨床試験が必要ですが、日本独自で行うのが難しい場合もあります。そこで、国際的な臨床試験に日本も参加する形で認可を促進しようという動きが出ています。こうした問題も、今後改善されていくことが期待されています。
乳がん治療にかかわる人々
がんの治療では、手術だけではなく、薬物療法、放射線療法などを、病理結果に照らし合わせて上手に組み合わせていくことが、非常に重要になってきます。どれだけの分野の人が乳がん治療にかかわるか、あげてみましょう。
乳腺外科医(診断や手術など)
形成外科医(手術や乳房再建など)
病理医・技師(組織・細胞診断)
腫瘍内科医(薬物療法)
放射線診断医・放射線治療医
看護師(病棟・外来)
薬剤師
栄養士
検査技師
理学療法士(リハビリ)
放射線技師
ソーシャルワーカー(社会復帰など)
ボランティア(患者団体など)
乳腺外科医(診断や手術など)
形成外科医(手術や乳房再建など)
病理医・技師(組織・細胞診断)
腫瘍内科医(薬物療法)
放射線診断医・放射線治療医
看護師(病棟・外来)
薬剤師
栄養士
検査技師
理学療法士(リハビリ)
放射線技師
ソーシャルワーカー(社会復帰など)
ボランティア(患者団体など)
連携は大事
アメリカでは1人の患者さんの治療方針を決定するために、各領域の専門家が集まり、あらゆる角度から検討し、最適の治療方針を、患者の合意のもとに決定します。医師のみならず、患者さんのケアに携わるあらゆる職種の人々が、緊密に連携し、患者中心の医療を展開していくことが、医療過誤を減らし、医療の質を向上させる原動力となるのです。
自分の治療に積極的になりましょう
そして、もっとも大事なことは、患者さん自身が、自分の治療に積極的に参加することです。これからは医師任せではなく、自分のしこりは何cmだったのか、リンパ節転移はあったかなかったか、がん細胞の顔つきはどうだったか、ホルモン受容体はあったのかどうか、自分にはどんな薬が必要なのか、何年ぐらいその薬を服用するのか、副作用はどうか、といった知識を持つことが求められています。自分の治療法を理解し、その選択に参加しているという意識を高めることが、これからの乳がん治療には必要なのです。
腫瘍内科医
オンコロジスト、つまりがん専門の内科医のことです。アメリカでは1950年代から、抗がん剤の専門家として腫瘍内科医は認識されていました。日本では、固形がんの治療は手術が中心で、外科医が主役でした。薬も外科医が担当してきました。しかし、がんの薬物療法がこれだけ進歩、複雑化してくると、やはり専門家が求められるようになり、学界を中心に資格制度の準備が進められています。
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