ホルモン療法剤と主な副作用

ホルモン療法剤と主な副作用

翻訳その1

「タキモシフェンLH-RHアゴニスト製剤」とは、「タキモシフェンでエストロゲンが乳がん細胞のエストロゲン受容体と合体するのを阻害し、それだけでは再発予防効果が足りないと判断された場合は、LH-RHアゴニスト製剤で、さらに卵巣機能を抑える」ということです。±は必要と認められたら追加、そうでなければ不要という意味です。

翻訳その2

「化学療法→タキモシフェン±LHーRHアゴニスト製剤」は、「抗がん剤治療で微小転移をたたいた後、さらにエストロゲンが乳がん細胞のエストロゲン受容体と合体するのを阻害する。もし再発予防効果が足りないと判断された場合は、LH-RHアゴニスト製剤で卵巣機能を抑え、エストロゲンがあまりつくられないようにする」ということになるでしょう。

2003年の提案と比べて

 中間リスクの閉経後を見てください。前回2003年の提案は「化学療法→タキモシフェン」「タキモシフェン」でした。
 つまり抗がん剤治療の後、タキモシフェンに切り換えるか、あるいはタキモシフェン単独の治療か、どちらかが推奨されていたのです。今回はそこにアロマターゼ阻害剤が加わっています。これは、アロマターゼ阻害剤のほうが、タキモシフェンより再発を抑える効果が高い、という報告が最近相次いでいて、それが反映されたものです。

副作用の出方

 ホルモン療法はとは、女性ホルモン値を下げる治療法です。閉経期と同じようなホルモン環境になるため、更年期障害の諸症状を訴える人が少なくありません。だからといって、更年期障害に対する治療をしたのでは、何のためのホルモン療法かわからなくなってしまいます。数週間から数ヶ月すれば、身体が女性ホルモンの足りない状況に順応しますので、症状は軽くなるはずです。それが待てない場合は、ホルモン療法を変更することもできますから、主治医に相談してください。
 ノルバデックスの副作用として、子宮体がんにかかりやすくなるという心配があります。一般の人が子宮体がんになる確率は1000人中3~4人なのに対し、ノルバデックス服用者が10年で子宮体がんになる確率は1000人中10人程度というアメリカのデータがあります。

ノルバデックスの服用によって

 しかし、子宮体がんにかかる確率があがる一方で、ノルバデックスは10年で45%の乳がん再発を減らすことができます。リンパ節転移のある患者さんが10年間に再発する確立は約30%、1000人中200人です。この300人の45%、つまり135人がノルバデックスの服用で再発を免れることになるのです。リスクとメリットを比較して考える必要があります。ノルバデックスを服用している人は、年に1回、子宮がん検診を受けるようにしてください。そうすれば早期に発見できます。しかし、乳がんの再発は完全に治すのは困難です。ノルバデックスの副作用としては、他に視力低下や味覚の異常がありますが、これらは稀です。逆にノルバデックスは、コレステロール値を下げるので、心臓の病期のリスクが若干減るというメリットがあります。

アロマターゼ阻害剤が与える影響

 閉経後に用いられるアロマターゼ阻害剤は、子宮に対する影響はノルバデックスに比べ小さいのですが、長く投与すると骨粗しょう症の心配が出てきます。骨密度を4~6ヶ月に1度測定し、もし骨密度が低下するようなことがあれば、骨粗しょう症の薬を併用することもあり得ます。



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