再発・転移性乳がんの治療
乳がんの再発のピーク
乳がんの再発は手術後2~3年がピークで、多くは5年以内です。ただ、他のがんに比べ、乳がんは進行が遅いので、手術後10年過ぎてから再発することもあります。
転移した場合の呼び方
再発は局所再発と遠隔転移に大別されます。手術痕や温存した乳房から再びがんが発生してくるのが局所再発、乳房から離れた場所に発生するのが遠隔転移です。乳がんが転移しやすいのは、骨、リンパ節、皮膚などで、肺、肝臓、脳などにも転移します。なお、たとえば乳がんが肺に転移した場合、それは肺がんではなく、転移性乳がん(乳がんの肺転移)といいます。肺にあってもがんの性格は乳がんなので乳がんの治療が必要になります。
治療方針の決定理由
治療方針は次のような要素を考慮して決定されます。
①再発した部位
②症状(痛み、息苦しさなど)
③手術から再発が発見されるまでの期間
④ホルモン感受性の有無
⑤閉経前か閉経後か
⑥HER2の量
最後の「HER2の量」については後の「分子標的治療薬」の項で解説します。
①再発した部位
②症状(痛み、息苦しさなど)
③手術から再発が発見されるまでの期間
④ホルモン感受性の有無
⑤閉経前か閉経後か
⑥HER2の量
最後の「HER2の量」については後の「分子標的治療薬」の項で解説します。
転移がない場合
局所再発で転移がない場合は、再度手術を行い切除します。転移性乳がんについては全身的な治療が原則です。痛みや出血があった場合は、対症療法として手術や放射線治療などの局所治療を追加します。
緩和ケア
転移性乳がんの治療の基本は、なるべく進行を遅らせることです。さらに、症状を緩和して、QOL(生活の質)を維持すること、この2つです。これまで緩和ケアは治療手段がなくなってから行われるものと考えられていました。しかし、痛みなどのつらい症状を取り除くことには、延命効果もあるのです。そこで最近は、進行を遅らせる治療と進行して緩和ケアも行われるようになりました。
転移性乳がんを根治する治療法は、残念ながらまだありません、しかし、かなりの延命は可能になってきました。糖尿病や高血圧などの慢性疾患と同じように考えて、がんと上手に付き合っていくことがた説です。
転移性乳がんを根治する治療法は、残念ながらまだありません、しかし、かなりの延命は可能になってきました。糖尿病や高血圧などの慢性疾患と同じように考えて、がんと上手に付き合っていくことがた説です。
ホルモン療法と化学療法
ホルモン療法にも化学療法にも一時から三次までの療法があります。
ホルモン感受性がある場合は、副作用が少なく、なるべくQOLを損なわないホルモン剤を第一選択とし、それが効かなくなったら次のホルモン剤を順次投与する、という方法がとられます。あらゆるホルモン剤が効かなくなったり、生命に直結するような転移が現れた場合には、抗がん剤に移行します。ホルモン感受性がない人は、最初から抗がん剤治療(化学療法)ということになります。
ホルモン感受性がある場合は、副作用が少なく、なるべくQOLを損なわないホルモン剤を第一選択とし、それが効かなくなったら次のホルモン剤を順次投与する、という方法がとられます。あらゆるホルモン剤が効かなくなったり、生命に直結するような転移が現れた場合には、抗がん剤に移行します。ホルモン感受性がない人は、最初から抗がん剤治療(化学療法)ということになります。
ガイドライン推奨療法
ガイドラインが一次ホルモン療法として推奨しているのは、閉経前ならLH-RHアゴニスト製剤+タキモシフェン、閉経後ならばアロマターゼ阻害剤で、推奨度はA(強く推奨する)です。また、一次化学療法としては、アンスラサイクリン系またはタキサン系のどちらかを含むレジメン(組み合わせ)を推奨し、二次療法として一次療法で使われなかったほうを使う方法を推奨しています。推奨度はB(推奨する)です。
パクリタキセル
現在、転移性乳がんの化学療法で中心的な役割を担っているのは、タキサン系のパクリタキセル(商品名タキソール)です。抗がん剤は、以前は可能な限り増量して効果を高める大量化学療法が、急性白血病などでは標準治療とされていました。しかし、この方法はQOLを損なうため、投与間隔を十分あける必要があります。そこで最近は、1回の量を減らして毎週投与する方法が、主にタキソールで行われるようになっています。これを「ウィークリー・タキソール」といいますが、この方法の登場で、転移性乳がん患者の生存期間が明らかに伸びたといわれています。
カペシタビン
また、アンスラサイクリン系、タキサン系の抗がん剤が効かなくなった場合の治療薬として注目されているのが、カペシタビンという経口抗がん剤です。しかし、ウィークリータキソール、カペシタビンにも増して注目されているのが、次の項で紹介するトラスツズマヅ(ハーセプチン)です。
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