閉経後に用いられるアロマターゼ阻害剤は、子宮に対する影響はノルバデックスに比べ小さいのですが、長く投与すると骨粗しょう症の心配が出てきます。骨密度を4~6ヶ月に1度測定し、もし骨密度が低下するようなことがあれば、骨粗しょう症の薬を併用することもあり得ます。
アロマターゼ阻害剤が与える影響 に関するページです。
しかし、子宮体がんにかかる確率があがる一方で、ノルバデックスは10年で45%の乳がん再発を減らすことができます。リンパ節転移のある患者さんが10年間に再発する確立は約30%、1000人中200人です。この300人の45%、つまり135人がノルバデックスの服用で再発を免れることになるのです。リスクとメリットを比較して考える必要があります。ノルバデックスを服用している人は、年に1回、子宮がん検診を受けるようにしてください。そうすれば早期に発見できます。しかし、乳がんの再発は完全に治すのは困難です。ノルバデックスの副作用としては、他に視力低下や味覚の異常がありますが、これらは稀です。逆にノルバデックスは、コレステロール値を下げるので、心臓の病期のリスクが若干減るというメリットがあります。
ノルバデックスの服用によって に関するページです。
ホルモン療法はとは、女性ホルモン値を下げる治療法です。閉経期と同じようなホルモン環境になるため、更年期障害の諸症状を訴える人が少なくありません。だからといって、更年期障害に対する治療をしたのでは、何のためのホルモン療法かわからなくなってしまいます。数週間から数ヶ月すれば、身体が女性ホルモンの足りない状況に順応しますので、症状は軽くなるはずです。それが待てない場合は、ホルモン療法を変更することもできますから、主治医に相談してください。
ノルバデックスの副作用として、子宮体がんにかかりやすくなるという心配があります。一般の人が子宮体がんになる確率は1000人中3~4人なのに対し、ノルバデックス服用者が10年で子宮体がんになる確率は1000人中10人程度というアメリカのデータがあります。
副作用の出方 に関するページです。
こうした結果を総合して判断することになりますが、いずれにしても、これまでタキモシフェンしかなかった選択肢にアロマターゼ阻害剤が加わったことでよりオーダーメイドの治療が可能になったことは間違いありません。
オーダーメイド治療に向けて に関するページです。
先の項に続いて、タキモシフェン5年内服終了後にアロマターゼ阻害剤(レトロゾール=日本では未承認)5年内服を追加するかしないかを比較したところ、追加した方が成績はいいということがわかりました(アロマターゼ阻害剤追加の方が40%、再発率が低かったのです)。さらに、タキモシフェン5年内服群と、途中(2,3年目)でアロマターゼ阻害剤(商品名アロマシン)に切り替え、合計5年内服した群とを比べると、、切り換えた方が再発を抑えます(切り換えた方が、再発リスクが下がりました)。
服用期間 その2 に関するページです。
ところで、ホルモン剤は、いつまで続けるのがいいのかという問題があります。術後補助療法としてのホルモン療法の中心はタキモシフェンですが、タキモシフェン(商品名ノルバデックス)2年内服と5年内服を比較した結果は、5年のほうが再発抑制効果は高いという試験結果があります。また、5年と10年を比較すると、同等の成績でした。そこでタキモシフェンは5年間内服するのがベストというのが現在の考え方です。タキモシフェン5年内服とアロマターゼ阻害剤(商品名アリミデックス)5年内服とを比較するとアロマターゼ阻害剤のほうが再発を抑えます(アロマターゼ阻害剤を服用した方が13%転移や再発が少なかったのです)。ここまででは、アロマターゼ阻害剤5年内服がもっとも再発を抑える、ということになります。
服用期間 その1 に関するページです。
中間リスクの閉経後を見てください。前回2003年の提案は「化学療法→タキモシフェン」「タキモシフェン」でした。
つまり抗がん剤治療の後、タキモシフェンに切り換えるか、あるいはタキモシフェン単独の治療か、どちらかが推奨されていたのです。今回はそこにアロマターゼ阻害剤が加わっています。これは、アロマターゼ阻害剤のほうが、タキモシフェンより再発を抑える効果が高い、という報告が最近相次いでいて、それが反映されたものです。
2003年の提案と比べて に関するページです。
「化学療法→タキモシフェン±LHーRHアゴニスト製剤」は、「抗がん剤治療で微小転移をたたいた後、さらにエストロゲンが乳がん細胞のエストロゲン受容体と合体するのを阻害する。もし再発予防効果が足りないと判断された場合は、LH-RHアゴニスト製剤で卵巣機能を抑え、エストロゲンがあまりつくられないようにする」ということになるでしょう。
翻訳その2 に関するページです。
「タキモシフェンLH-RHアゴニスト製剤」とは、「タキモシフェンでエストロゲンが乳がん細胞のエストロゲン受容体と合体するのを阻害し、それだけでは再発予防効果が足りないと判断された場合は、LH-RHアゴニスト製剤で、さらに卵巣機能を抑える」ということです。±は必要と認められたら追加、そうでなければ不要という意味です。
翻訳その1 に関するページです。
「再発リスク分類」「推奨治療」の項を見てください。たとえば中間リスクの閉経前では「タキモシフェン±lLH-RHアゴニスト製剤」あるいは「化学療法→タキモシフェン±LH-RHアゴニスト製剤」という治療法が推奨されています。この2つの治療法はどちらも同じくらい再発を抑える効果があるという試験結果が出ています。これだけではわかりにくいので次とその次の項で翻訳してみましょう。
例を挙げてみます に関するページです。
特徴
・DNA合成抑制、下垂体・副腎・性腺系への抑制作用および抗エストロゲン作用などによりがん細胞を抑制する。
・他のホルモン剤が無効のときに用いる
副作用
体重増加、浮腫(むくみ)、血栓症など
メドロキシプロゲステロン(ヒスロン)など に関するページです。
特徴
・閉経後、副腎などでつくられる男性ホルモンが脂肪組織でエストロゲンに転換される。この転換を行うアロマターゼという酵素の働きを阻害する。
・卵巣が機能しなくなった閉経後の人に適用される。
副作用
吐き気・嘔吐・食欲不振、腰痛、疲労感、めまいなど
アナストロゾール(アリミデックス)、エキセメスタン(アロマシン)など に関するページです。
特徴
・卵巣機能を抑制し、エストロゲンの分泌を低下させ、がん細胞を抑制する
・卵巣機能が働いている閉経前の人に適用される
副作用
低エストロゲン症状(熱感、めまい、肩こり、頭重感)など
ゴセレりン(ゾラデックス)、リュープロレリン(リュープリン)など に関するページです。
(一般名の後に括弧書きで商品名を紹介して、タイトルとしました)
特徴
・エストロゲンとがん細胞にあるエストロゲン受容体(ER)との結合を妨げることで、がん細胞を抑制する
・乳がん術後療法として最も広く用いられている
・閉経前の人よりは閉経後の人で高い効果が得られる
副作用
吐き気、無月経
タキモシフェン(ノルバデックス)、トレミフェン(フェアストン) に関するページです。
卵巣摘出では開腹手術をしなければならず、更年期症状が出ます。また男性ホルモンの投与では、ヒゲが濃くなったり、声変わりしたりという副作用がありました。
かつてのホルモン療法の副作用 に関するページです。
抗エストロゲン剤タキモシフェンが日本で承認されたのが1981年です。LH-RHアゴニスト製剤のゾラデックス、リューブリンが1994年、ファドロゾールという第一世代のアロマターゼ阻害剤が1995年。そして第二世代のアナストロゾールが2001年。ホルモン療法の歴史はまだ20年と少ししかありません。それ以前のホルモン療法は卵巣摘出や、女性ホルモンに対抗して男性ホルモンを投与するなど、患者さんにとってつらいものでした。しかし、歴史が浅い分、今でも抗がん剤やホルモン剤同士の組み合わせなど、さまざまな研究が進行中です。現在、どんなホルモン療法が推奨されているでしょう。
ホルモン療法の歴史 に関するページです。
ガイドラインが推奨度A「十分なエピデンス(科学的な根拠)があり、推奨内容を日常診療で実践するように強く推奨する」にあげているホルモン療法には、どんなものがあるか見てみましょう。いずれもホルモン受容体を持っている乳がんの場合です。
・早期乳がんに対して、術後5年間のタキモシフェン投与
・閉経前の早期乳がんに対する卵巣機能抑制療法
・閉経前の早期乳がんに対する術後療法としてのLH-RHアゴニスト
・リンパ節転移陰性乳がんのうち、再発の危険が高い症例に対しては、タキモシフェンおよび多剤併用化学療法が術後療法として推奨できる。
・閉経前の転移・再発乳がんに対するLH-RHアゴニストとタキモシフェンの併用療法
・閉経後の転移再発乳がんに対するアロマターゼ阻害剤
・タキモシフェン抵抗性の閉経後転移性乳がんにおける二次ホルモン療法としてのアロマターゼ阻害剤
日本のガイドラインが推奨度Aと評価するホルモン療法 に関するページです。
ここまでであげた3つに加えて、実はプロゲステロン(黄体ホルモン)製剤という薬もあります。ただ、この薬に関しては、作用のメカニズムの詳細がよくわかっておらず、前期3つのホルモン剤が効かない場合に使われています(後の項参照)。
実は に関するページです。
閉経後、エストロゲンは、副腎から分泌される男性ホルモン(アンドロゲン)が女性ホルモンに変換される形でつくられます。変換の際に働くのがアロマターゼという酵素です。アロマターゼは肝臓や皮下脂肪の中に存在しますが、乳腺のまわりの脂肪組織にも存在します。ここで男性ホルモンが女性ホルモンに変換されれば、できたエストロゲンは乳がんを増殖させます。アロマターゼ阻害剤は、アロマターゼの働きを妨げることによって、女性ホルモンを作らせないようにする薬です。したがって、閉経後の人に効果があります。
アロマターゼ阻害剤 に関するページです。
閉経前は、エストロゲンは卵巣でつくられます。その作用経路は、まず脳の視床下部というところから脳下垂体へ、ホルモンを出すよう指令があります。指令された脳下垂体は、性腺刺激ホルモンを出して、卵巣にエストロゲンを出すよう伝えるのです。LH-RHアゴニスト製剤は脳下垂体に作用して性腺刺激ホルモンを出さないように働きかけます。そのために卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌も低下します。したがってこの薬は、閉経前の人に効果があります。
LH-RHアゴニスト製剤 に関するページです。
エストロゲンとエストロゲロン受容体は鍵と鍵穴の関係にあります。そこで、抗エストロゲン剤はエストロゲンよりも先に受容体と合体し、エストロゲンが受容体と合体できないようにします。エストロゲンと合体することで細胞分裂の指令を受け取っていた乳がん細胞は、増殖できなくなります。この酔おうな方法でエストロゲンの働きを抑えるのが抗エストロゲン剤です。閉経前と後では、エストロゲンのつくられ方が違います。しかし、抗エストロゲン剤は、合体を阻止するという、いわば瀬戸際に作用し、それ以前のエストロゲンが作られる過程には作用しません。そのため、閉経前、閉経後、どちらのひとにも効果がありますが、どちらかといえば閉経後の人の方に高い確率が期待できます。
抗エストロゲン剤 に関するページです。
女性ホルモン受容体にはエストロゲン受容体(ER)とプロゲステロン受容体(PR)の2つがあります。両方とも、あるいはどちらかが陽性の場合、ホルモン療法の効果が期待できます。ホルモン療法の効果が期待できます。
ホルモン療法は手術、化学療法の後に行われます。化学療法と同時に行うと効果が薄れることがわかっています。
現在使われている主なホルモン剤は次からの項で紹介する3種類があります。
エストロゲンとプロゲステロン に関するページです。
乳がんの6~7割はホルモン受容体が陽性、つまり女性ホルモン受容体を持っているタイプだといわれています。受容体を持っているかどうかは、手術で切り取ったがん細胞を調べればわかります。受容体を持っていない、つまりホルモン感受性陰性(非感受性)の乳がんに対しては、ホルモン療法は全く効果がありません。ホルモン剤の副作用は、抗がん剤に比べれば軽いものですが、副作用がある以上、効果がないとわかっているホルモン感受性陰性の乳がんに対しては、ホルモン療法を行ってはいけません。逆に、少しでも効果が期待できる場合には、積極的に行うべきです。つまり、治療の面では、ホルモン感受性陽性の方が。選択肢が多い分、有利だということになります。
ホルモン感受性 陽性 陰性 に関するページです。
ホルモンが作用する器官を、そのホルモンの標的器官といいます。特定の標的器官を持つホルモンと、全身に標的器官を持つホルモンとがあります。
ホルモンは血液に乗って全身をまわり、標的器官にのみ作用します。なぜそんなことができるのかというと、標的器官の細胞には、そのホルモンにのみ合致する受容体(レセプター)があるからです。ホルモンと受容体は、鍵と鍵穴の関係になっています。
エストロゲンの標的器官は全身と子宮内膜、プロゲステロンは子宮内膜です。乳がんの6~7割はエストロゲン受容体を持っています。
ホルモンと受容体 に関するページです。
乳がんには、女性ホルモン受容体を持っているタイプと持っていないタイプがあります(次項参照)。持っているタイプは、女性ホルモンが乳がん細胞の受容体に合体することで、細胞分裂が活発になり、増殖します。したがって、女性ホルモンが受容体に合体するのを阻止したり、あるいは女性ホルモンの分泌そのものを低下させれば、このタイプの乳がんは増殖を抑えることができます。これがホルモン療法の原理です。
ホルモン療法の原理 に関するページです。
化学療法を数回行うと月経が止まります。。特にエンドキサンは卵巣機能に与える打撃が大きいとされています。40歳未満では約半数が、化学療法終了後月経が復活しますが、40歳以上ではそのまま閉経するのが普通です。したがって、妊娠希望のある人は、主治医とよく相談する必要があります。
月経停止 に関するページです。
口の中の粘膜が荒れて、ヒリヒリしたり、味覚が麻痺したりすることがあります。これに対しては炎症を抑えるうがい薬や軟膏があります。
口内炎 に関するページです。
風邪対策、食あたり対策をきちんと行ってください。38.5度以上の熱が出なければ、まず危険なことはありません。多くの場合は抗生物質で対応できますがそれでもうまくいかない場合は、短期的に白血球数を上げる薬を使います。
白血球減少対策 に関するページです。
抗がん剤投与後5~7日目くらいから白血球の成分である好中球が減少します。好中球は身体の抵抗力を担っているので、減少すると細菌感染しやすくなります。熱が出たり、風邪をひきやすくなったり、虫歯が急にうずいたり、食あたりの可能性も高くなります。ただし、これは一時的なもので、2週間ほどたてば、好中球の数は回復します。
白血球減少(好中球) に関するページ
タキソールなどで、指先や足裏のしびれといった末梢神経障害が出ることがあります。これといった治療法はないのですが、たくさんの量を短時間に投与すると出やすいので、投与量を減らすといった対策が考えられます。化学療法が終了すれば、しびれは少しずつ軽減します。
タキソテールでは、全身倦怠感が3割くらいの患者さんに出るといわれています。これについても予防法や治療法は今のところありません。ただ、抗がん剤以外の原因で起こることもあるので、よく確認しなければなりません。
タキサン系を使うと、過敏なアレルギー反応が出ることも、まれにありますので、注意する必要があります。
アンスラサイクリン系や分子標的治療薬トラスツズマヅによる心臓への影響も報告されています。時に胸壁への放射線治療歴のある患者さんに多いとされ、循環器科との連携が望まれます。
抗がん剤のその他の副作用 に関するページです。
最近はかつらにも非常にいいものがあり、メーカーはたくさんのノウハウを持っています。また、患者会はそれらを含めてさまざまな情報を持っていますから、ぜひ相談することをおすすめします。
脱毛についての注意点 かつら に関するページです。
美容院については、予約のときに事情を説明すれば、時間外や個室を用意してくれる店もあります。大学病院などの大きな施設には美容院が入っていることも多く、慣れているので相談してみるといいでしょう。
脱毛についての注意点 美容院 に関するページです。
洗髪はいつもどおり行っても、脱毛の程度に変わりはありません。ただ、刺激の強いシャンプーやリンスは避けましょう。パーマやカラーリングは刺激が強く、脱毛の速度を早めることがあります。ブラシはやわらかいものを使い、ドライヤーは低音でゆっくり乾かしましょう。
室内でもタオル帽子やバンダナを着用すれば、抜け毛が散らかるのを防ぐことができ、掃除も楽です。
脱毛についての注意点 その2 に関するページです。
脱毛についての注意点をこれからの項で語ります。
髪は治療前にあらかじめ短くしておくと、抜け落ちる髪の量が少ないので、精神的なダメージが少なくてすみます。また、薄くなるのも目立ちません。
脱毛についての注意点 に関するページです。
アンスラサイクリン系、タキサン系薬剤では、脱毛はほとんどの場合で起こります。中には髪だけでなく眉毛、睫毛、体毛まで抜ける人もいます。残念ながらいまのところ脱毛を完全に予防する薬はありません。脱毛は抗がん剤を投与してすぐ始まるわけでなく、2・3週間の余裕があります。その間に心の準備をしましょう。
脱毛 に関するページです。
抗がん剤の治療のときは、リラックスを心がけると副作用が抑えられます。音楽を聴いたり、本を読んだり、患者さん同士で情報交換したり、好きなことをやってリラックスすることが大切です。
リラックスしましょう に関するページです。
遅延性嘔吐にはステロイドホルモンが有効です。初回の点滴の際の嘔吐が抑えられれば、予測性嘔吐も防ぐことができるでしょう。
遅延性嘔吐・予測性嘔吐 に関するページです。
急性期嘔吐は、抗がん剤の点滴の前に吐き気止めの薬を飲むか、点滴し、場合によっては、さらに2、3日、飲み薬を服用することで、予防することが可能です。
急性期嘔吐 に関するページです。
嘔吐は、抗がん剤投与から3日以内に起こる急性期(薬剤起因性)嘔吐、それ以降も持続、あるいは数日たってから起こる遅延性嘔吐、点滴のことを考えただけで起こる予測(心因)性嘔吐の3つに大きく分けられます。
吐き気・嘔吐 に関するページです。
抗がん剤の副作用はつらいと、頭から思い込んでいる人も多いと思います。しかし、抗がん剤によっては比較的軽いものもあるし、また人によっては全然出ない人もいます。最近は副作用の症状を抑える薬も出ていて、吐き気などはかなり予防できるようになってきました。
抗がん剤別の代表的な副作用については、前項にまとめましたが、ここでは症状別にその対策を解説します。
抗がん剤と副作用
一般名(商品名)
フルオロウラシル(5-FU=注射薬)
特徴
がん細胞がつくられる過程を阻害する。
体内で有効成分5-FUに代謝される。
副作用
下痢、吐き気や嘔吐、白血球減少、肝障害
皮膚の色素沈着など
F に関するページです。
一般名(商品名)
パクリタキセル(タキソール=注射薬)
特徴
がん細胞の細胞分裂を抑制する
副作用
白血球減少、脱毛、ショック、末梢神経障害など
P に関するページです。
一般名(商品名)
ドセタキセル(タキソテール=注射薬)
特徴
がん細胞の細胞分裂を抑制する
副作用
白血球減少、脱毛、ショック、末梢神経障害など
D に関するページです。
一般名(商品名)
エビルビシン(ファルモルビシン=注射薬)
特徴
塩酸ドキソルビシンと同じ作用を持つ
副作用
塩酸ドキソルビシンと似ているが、やや軽度
E に関するページです。
一般名(商品名)
塩酸ドキソルビシン(アドリアシン=注射薬)
特徴
がん細胞の増殖を抑える
副作用
副作用が比較的強い。
白血球減少、脱毛、吐き気や嘔吐、心筋梗塞など
A に関するページです。
一般名(商品名)
メトトレキサート(メトトレキセート=注射薬)
特徴
がん細胞がつくられる過程を阻害する
副作用
肝障害、腎障害、口内炎など。
白血球現象は比較的少ない。
M にかんするページです。
一般名(商品名)
シクロフォスファミド(エンドキサン=注射薬、内服薬)
特徴
がん細胞のDNAを壊す
副作用
白血球減少、出血性膀胱炎、脱毛、吐き気や嘔吐など
C に関するページです。
投与回数は、「クール」や「サイクル」という言葉で表現されます。たとえばCMF療法なら、3週間に1回(あるいは4週間に2回)投与するのを1クールとし、それを何クール続けるかというようにメニューが決められます。これは症例や医師によりやり方が異なります。
投与回数の話
どういった場面でどの組み合わせがより効果的かは、現在もさまざまな研究が行われています。たとえば「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン(2004年版 日本乳癌学会編 以下「ガイドライン」といった場合はこの本を指します)」では、術後療法としてはCMF療法よりもアンスラサイクリン系(ここではAとE)を含む組み合わせを、再発率・死亡率を下げるという理由で強く推奨しています。そのこともあって、最近はアンスラサイクリン系の抗がん剤を含む化学療法が増えています。
「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン」 に関するページです。
「DAC」のDはドセタキセルのDですが、タキサン系の頭文字Tをとって「TAC」とも呼ばれます。
DAC に関するページです。
抗がん剤治療の中で、もっとも古くから行われてきたのがCMF療法でした。組み合わせは抗がん剤の頭文字で表すのが普通で、C=シクロフォスファミド、M=メトトレキサート、F=フルオロウラシル、この3つを併用するのがCMF療法です。同じように「AC」「CAF」「AC→P」「EC→P」「DAC」「CEF」などがあります。→は、たとえばACの後にPを行うという意味です。
抗がん剤治療の療法の言い方 に関するページです。
抗がん剤は数十種類あり、それを2~3種類組み合わせて使う多剤併用が基本です。数学的には無数の組み合わせ(レジメンといいます)が可能です。しかし、乳がんで使われる抗がん剤はそう多くはなく(後に書きます)、組み合わせもある程度決まっています。
抗がん剤 に関するページです。
化学療法は正式には「細胞毒性化学療法」といいます。化学療法に使われる薬が抗がん剤です。抗がん剤は正常な細胞に対しても毒性があり、特にがん細胞と同じように活発に細胞分裂を行っている細胞(粘膜や毛母細胞など)に対する毒性が強いので、それが吐き気や脱毛などの副作用として出ます。
抗がん剤は副作用をもよおす仕組み に関するページです。
化学療法
ホルモン感受性なし、閉経後、高リスクの場合 に関するページです。
化学療法
ホルモン感受性なし、閉経後、中間リスクの場合 に関するページです。
該当なし
ホルモン感受性なし、閉経後、低リスクの場合 に関するページです。
化学療法
ホルモン感受性なし、閉経前、高リスクの場合 に関するページです。
化学療法
ホルモン感受性なし、閉経前、中間リスクの場合 に関するページです。
該当なし
ホルモン感受性なし、閉経前、低リスクの場合 に関するページです。
化学療法→タキモシフェン
化学療法→アロマターゼ阻害剤
タキモシフェン投与2~3年後エキセメスタンあるいはアナストロゾールへの変更
ホルモン感受性不明、閉経後、高リスクの場合 に関するページです。
化学療法→タキモシフェン
化学療法→アロマターゼ阻害剤
ホルモン感受性不明、閉経後、中間リスクの場合 に関するページです。
タキモシフェンまたは無治療
ホルモン感受性不明、閉経後、低リスクの場合 に関するページです。
化学療法→タキモシフェン±LH-RHアゴニスト製剤
ホルモン感受性不明、閉経前、高リスクの場合 に関するページです。
化学療法→タキモシフェン±LH-RHアゴニスト製剤
化学療法のみ
ホルモン感受性、閉経前、中間リスクの場合 に関するページです。
タキモシフェン、または無治療
ホルモン感受性不明、閉経前、低リスクの場合 に関するページです。
「ホルモン感受性不明」には「弱陽性」も含まれます。
注意 に関するページです。
化学療法→タキモシフェン±LH-RHアゴニスト製剤
化学療法→アロマターゼ阻害剤
タキモシフェン投与2~3年後エキセメスタンあるいはアナストロゾールへの変更
タキモシフェン投与5年後のレトロゾール投与
ホルモン感受性あり、閉経後、高リスクの場合 に関するページです。
抗がん剤→タキモシフェン
タキモシフェン
ホルモン感受性あり、閉経後、中間リスクの場合 に関するページです。
タキモシフェン、ありはアロマターゼ阻害剤、または無治療
ホルモン感受性あり、閉経後、低リスクの場合 に関するページです。
化学療法→タキモシフェン±LH-RHアゴニスト製剤
ホルモン感受性あり、閉経前、高リスクの場合 に関するページです。
タキモシフェン±LH-RHアゴニスト製剤
化学療法→タキモシフェン±LH-RHアゴニスト製剤
ホルモン感受性あり,閉経前、中間リスクの場合 に関するページです。
タキモシフェン、または無治療
ホルモン感受性あり、閉経前で低リスクの場合 に関するページです。
その3段階を、閉経前か後か、ホルモン感受性の有無でさらに細かく分類し、それぞれについての推奨治療を提案しています。治療内容については以下の項で説明しますが、術後、何も治療をしなくていいのは低リスクの人、しかもホルモン療法をまぬがれた人だけということになります。
さらに細かく分類する に関するページです。
リンパ節転移が4個以上でER(エストロゲン受容体)、PR(プロゲステロン受容体)ともに、あるいはいずれかが陽性のもの。
リンパ節転移が1個以上で、ER、PRともに、あるいはいずれかが陽性、なおかつ以下の項目がひとつでも該当するもの。
・脈管侵襲あり
・HER2陽性
ER、PRともに陽性で上記の条件を満たすもの。
高リスク に関するページです。
リンパ節転移がなく、ER(エストロゲン受容体)、PR(プロゲステロン受容体)ともに、あるいはいずれかが陽性で以下の項目にひとつでも該当するもの
・腫瘍の大きさ(浸潤径)2cm以上
・年齢35歳未満
・悪性度(がんの顔つき) グレード2~3
・脈管侵襲あり
・HER2陽性
リンパ節転移は1~3個、ER、PRともにあるいはいずれかが陽性で以下の項目をすべて満たすもの
・脈管侵襲なし
・HER2陰性
ER、PRともに陰性で上記の条件を満たすもの
中間リスク に関するページです。
リンパ節転移がなく、ER、PRともに、あるいはいずれかが陽性で更に以下の項目をすべて満たすもの。
・腫瘍の大きさ(浸潤径)2cm以下
・年齢35歳以上
・脈管侵襲なし
・her2陰性
低リスク に関するページです。
2005年の会議で提案された推奨治療は、以下の項に書く通りです。それを見るとまず、術後の検査結果から再発のリスクを3段階に分けています。基準になるのはリンパ節転移の有無、しこりの大きさ、がん細胞の3段階の悪性度、年齢、脈管侵襲の有無(がんが血管あるいはリンパ管に浸潤しているかどうか、浸潤していれば再発しやすい)。そしてHER2感受性の有無(これは後の項参照)です。
ただし、今回の発表内容については、学会で議論が継続中で、これらの項は修正される可能性があります。
推奨治療の見方 に関するページです。
ザンクトガレン国際乳がん会議は、1978年に第1回が開催され、そのときの参加者はわずか79人でした。それが2003年の第8回には2900人が参加しました。はじめは4年に1回開かれていましたが、現在は2年に1回開かれています。
アメリカには、19のがんセンターが共同で作成している「NCCN乳がん治療ガイドライン」があります。
国際乳がん会議 に関するページです。
スイスのザンクトガレンというところで、2年に1回、乳がんの術後補助療法に関する国際会議が開かれています。主にヨーロッパから乳がん専門医が集まり、どういう治療法がいいかを話し合い、推奨治療を発表します。
学会 に関するページです。
たとえば、手術後10年以内に再発・転移する可能性が45%と診断された術後患者さんが100人いたとします。誰が再発・転移するかはわかりませんから、この100人全員に、たとえばCMFという化学療法を行います。CMFの再発抑制効果は9%として計算しましょう。
そうすると10年後、この100人は次の3つのグループに分類されます。
①再発・転移のなかった55人
②再発・転移した36人
③CMFにより再発・転移を免れた9人
①の人々にとって術後補助療法は不要でした。②の人々にとっては術後補助療法だけでなく手術自体が不要だったかもしれません。ただ、再発を遅らせた可能性はあります。
結局、術後補助療法がはっきり有効だったのは③の9人の人々だったということになります。「なんだ、その程度かあ」と思われるかもしれません。しかし、①と③を識別する方法はありませんから、実際は再発・転移しなかった64人と、再発・転移した36人の2グループに分かれるだけなのです。
CMFという化学療法をやってみる に関するページです。
術前化学療法は、がんがどのくらい縮小したかで効果を測定することができます。ところが術後補助療法は、相手が身体のどこかに潜んでいるわずかながん細胞なので、はたして効いているのかどうか測定することができません。そのため医師は、なぜ術後補助療法が必要なのか患者さんに説明するのに苦労します。
測定することができない に関するページです。
術後補助療法とは、この0.01%のがん細胞をおとなしくさせ、他の細胞同様、自然に死滅させようとする治療法といっていいでしょう。乳がんは再発・転移すると、現在の技術では完全に治すのが難しくなります。術後補助療法で再発・転移の芽を摘むことが非常に重要になってくるのです。
乳がんが全身病であるからこそ その2 に関するページです。
手術でがんをきれいに切り取り、リンパ節転移もないのに、10~15%の患者さんに再発が起こるということは、発見された段階ですでに、それが浸潤がんであれば、おそらく何万個かのがん細胞が乳房から離れて、体内をぐるぐる回っていると考えられます、乳がんが全身病であるゆえんです。ただ、全身をめぐっているがん細胞は99.99%、自然に死滅します。ところが、残りの0.01%のがん細胞は死滅しないで、どこかに潜んでいるのです。それが着床し、増殖してくるのが再発・転移です。手術した乳房で起これば局所再発、それ以外のところで起これば転移ということになります。
乳がんが全身病であるからこそ に関するページです。
手術でがんをきれいに取りきり、リンパ節転移もない、そういう患者さんでも10~15%の確率で再発を起こします。これはなぜでしょう?
1個のがん細胞が分裂して2個の細胞になるのに90日~120日かかるといわれています。1年に3~4回分裂するわけです。1cmのがんは何個のがん細胞から成り立っているかというと、だいたい100億個です。1個のがん細胞が何回分裂すると100個になるか計算してみると、33回分裂して約86億個です。つまり1個のがん細胞が1cmのがんになるには8~11年かかるということです。発見された乳がんの大きさが1cmだとすれば現在の検査技術では早期発見です。それでも、そのがんには既に10年前後の潜伏期間があるということなのです。
がんの潜伏期間 に関するページです。
がんの転移は、タンポポの種が風に乗って遠くまで運ばれ、新しい土地で新しく芽を出すのに似ています最初はおそらく1個~数個のがん細胞が他の臓器に移転するのでしょうが、この段階の転移はいかなる敏感な検査でも発見することはできません。このような語句初期の転移を微小転移といいます。
微小転移
術前化学療法については先の項で説明しましたので、ここでは術後補助療法について説明します。
術後補助療法と、「補助」という文字が入っていますが、これは手術が第一と考えられていた時代の名残です。現在は薬物療法を手術の補助ととらえる医師は少ないでしょう。それは1980年代以降、乳がんは全身病と受け取られるようになり、手術や放射線の局所治療よりも全身治療が大事だとされるようになったからです。今では、手術でがん細胞がきれいに除去できても直後から抗がん剤治療を始めるのが普通です。これは微小転移を根絶し、再発を予防するために行います。しかし、そう言われても、微小転移などという、あるかないかもわからないもののために抗がん剤のつらい副作用に耐えるのは大変です。これを乗り切るためには、がんが全身病であることをきちんと理解し、納得して治療を受けることが大切です。
術後補助療法 に関するページです。
乳がんの治療で薬物療法が行われるのは次の3つの場合です。
①術前化学療法
②術後補助療法
③手術ができない乳がんに対する治療
また、乳がんの薬物療法には、化学療法(抗がん剤を使う)、ホルモン療法(ホルモン剤を使う)、分子標的療法(トラスツズマブ=商品名「ハーセブチン」を使う)、などがあります。
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長時間重いものを持ったりして、腕を疲れさせない。
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きつい下着や洋服、熱い風呂やシャワーなどは避ける。水虫などに注意する。